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五分間(手紙外伝) その7 午後になり、亜美と真紀は雄一の首輪に革紐を着けて引っ張り、四つん這いで外を歩かせた。途中、多数の男奴隷達と合流し、ぞろぞろと港に向かった。港に到着し、雄一は目を見張った。停泊しているのは、古代ローマで使用されていた型の巨大な木造ガレー船であった。女性看守達の鞭音が響き、男奴隷達はうなだれて薄暗い船底に入って行った。雄一の他の男奴隷達と一緒に入り、席に着くと女性クルーに鎖で繋がれ、突き出ているオールの柄を持つように命令された。男奴隷全員の準備が済むと、女性クルーは鞭を鳴らし、
「出航、オールを下ろして、一斉に漕げ!」 と、よく響く声で命令を下した。船底前方の席に年長の男奴隷が座り、木槌で太鼓の様な物を叩き、オールを漕ぐリズムを取った。雄一はオールを漕ぎながら、まるで昔みたスペクタル映画みたいだと思った。女性クルー達は船底中央の一段高い通路を往復して、男奴隷の動きを見張り、少しでも動きを乱すと容赦無く鞭を振るった。女性クルー達は、通路中央で短い会話をした。 「甲板の御令嬢方のご機嫌はどう?」 「潮風にあたられて、カクテルを手に風景をお楽しみになられてたわ。悪くないみたい。」 雄一は彼女達の会話を聞き、自分の立場を考えた。ドミナント財閥の御令嬢方は涼しいデッキで優雅にクルージングを楽しみ、女性クルー達は蒸し暑い船底で鞭を振るい、男奴隷達は鞭打たれながら大汗をかいてオールを漕いでいる。雄一は以前、世界はほんの一握りの特権階級と、その特権階級の使用人である上流階級と、残り90パーセントの奴隷階級で構成されていると聞いた事があったが、このガレー船は正に世界の縮図であった。
雄一は体を日本刀で斬られた様な激痛に悲鳴を上げ、うずくまった。その背中にも鞭が炸裂し、雄一は再び悲鳴を上げて床を転がった。転がって逃げようとする雄一の体に容赦無く鞭の雨が降り、彼の体は瞬く間に赤い筋だらけとなった。
「止めて、止めてくれーっ」
雄一は絶叫し、美奈子は一旦鞭を止めて距離を取った。雄一は鞭痕で引きつる体を無理に動かし、何とか立ち上がった。彼は以前亜美が、
“女性達が全裸になったのは、お前に眼の保養をさせるためじゃなくて、捨て身の覚悟をさせるためよ。”
と言っていたのを思い出した。美奈子が裸なのは、捨て身の覚悟の表れなのだ。雄一は、美奈子が本気で自分を潰そうとしているのが分かった。ひょっとしたら彼女に一片でも愛情が残っているかもしれないという、雄一の淡い期待は完全に消えてしまった。今、目の前にいるのは妻ではなく、乳房を揺らし鞭を振るう夜叉であった。もう彼には、美奈子をレイプして自由の身になるしか道は残されていなかった。
「うおおーっ」
雄一は獣じみた声を上げ、美奈子に向かって突進した。しかし美奈子は横に体を捌き、彼の突進をかわした。避けられた雄一はたたらを踏み、その背中を鞭打たれた。
「ぎゃあーっ」
雄一は焼き鏝を当てられた様な激痛に悲鳴を上げ、体をのけ反らせた。何とか体の向きを変えると、横殴りに脇腹を打たれて衝撃で呼吸が出来なくなり、その場に崩れ落ちた。横になり体をくの字にして、窒息しそうな苦しみに悶え苦しんだ。しばらくして痙攣が治まり、何とか呼吸が出来るようになって立ち上がった。この間は不思議と鞭の攻撃が無かったのだが、それは美奈子の余裕であった。短い間にこれ程鞭の腕が上達するとは、元々才能があったのだろう。雄一が美奈子に近づこうとすると、すかさず鞭打たれ、その激痛で全身の筋肉が硬直して動けなくなる。少し間を置いて動けるようになると、また鞭打たれて全身が硬直する。この繰り返しであった。それでも雄一は、気力で美奈子に突進した。しかし身軽に避けられて、背後から鞭打たれる。何とか向きを変え、美奈子に向かって行こうとすると、両足に鞭が巻き付いて前のめりに倒れてしまった。美奈子は足に巻き付いた鞭を腕の一振りで外すと、倒れた雄一の背中を鞭打った。彼は背をのけ反らせて、悲鳴を上げた。雄一の動きは、美奈子の鞭に完全にコントロールされていた。まるで自分が美奈子の鞭という糸で動かされている操り人形のように思えた。彼は引きつり硬直する体を無理に動かして、立ち上がった。美奈子は雄一が立った瞬間に、彼の股間を鞭打った。
「ぎええーっ」
急所を打たれた雄一は絶叫した。自分のものがちぎり取られたと思った。前屈みになって両手で股間を押さえた雄一の頬を、鞭が横殴りに打った。彼は視界が真っ暗になり床に倒れ、そのまま意識を失った。
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南朋監督が自宅で撮るM男調教 Issue.2
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